君の為に出来る事
眩しい日差しを避けるように毛布の中に潜り込んで、俺は目覚める。
――また、ソファーで寝てしまった。と。
毛布はきっと彼女が掛けてくれたのだろう。
そう思いながら俺は毛布を身から剥がした。
眩しい光はカーテンでとだされることなく、窓ガラスを透して直接降り注ぐ。
そんな朝を俺はいつも繰り返していた。
彼女はもうとっくに部屋を出ている。
その証拠にダイニングテーブルの上にはささやかな朝食。
今日はサラダとバダーロ―ルとコーヒーと。
こんな冷めきった関係でも、彼女はちゃんと朝食を用意してくれる。
それは嬉しい事なのに、それすら最近では心苦しく感じる。