Any time Any place

借金を返すために、ある中小企業の内職の下請けを始めた摩理子、それが成功してパートを雇うまでなり、あっという間に借金はゼロに。

小さい頃は、軽トラに乗って何気なく摩理子の仕事についていっていたけど、今思えば、その時のヤツの単価交渉術、今の腰抜け営業マンたちに見習わせたいぜ、というくらいすごかった。

家族全員が朝から晩までせわしなく働いている、そして、祖母花子は、がやがやした家の中に更にガキ共を呼んで書道教室を開く。

パートのおばちゃんから、近所の年寄り、うるせーガキ共と、うちはいつも賑やかでした。

その中心にいたのが祖母でしたけど、その祖母を暴走しないようにたずなをコントロールしていたのが摩理子でした。

はちゃめちゃで気分屋で、感情の起伏の激しい勝手女花子の下で育ち、反面教師よろしく、「私が母親になったらあんな風にはならない」と誓った母は、絶対に私と姉には、感情に任せて怒るということをしなかった。

子どもに当たるということをしなかった摩理子、それだけは感謝している。あっ、家庭科の宿題をしてくれたことも!

その頃私の周りでは、お母さんに当たられて泣いている友達が多くいまして、うちによく逃げてきていました。

まぁ、色々と感謝することはありますが、ヤツがつけあがるので余り言わない(笑)




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