Any time Any place
どこにでもいる仲良し姉妹。年も二つしか離れていないから、ライバルでもあり一番の友達。
そんな姉が、英語を勉強したいから、と言ってアメリカの大学への進学を決意した。
その信念は揺るぎがなく、普段おっとりとした彼女の強さを初めて見せられた時でした。
今でこそ、留学なんて誰でもしますが、その当時、富山県では稀でした。夏休みを利用した語学留学や大学の交換留学が支流だった時代ですから、学校側もパニックに。
そりゃあ、有名大学の進学率を上げてくれる逸材がそれを放棄し、わけもわからないアメリカ中西部の大学に行きたいと言い出したのだから、高校の教師は全員が反対しました。
その当時、姉の通う高校には、叔父が英語教師として教壇に立っていましたので、最初に、この叔父に猛烈な反対を受けました。
叔父は、親父側の兄弟の長兄で、親父とは父と子ほどの歳が離れています。それはそれは、恐ろしい兄貴だったらしく、末弟の親父は、野球でプロを目指し、野球の名門校を受けたかったのですが、この長兄に、進学しろとバッドで殴られ、その夢を断念。未だにその恨みがある親父は、おばあちゃんの葬式で愚痴っていました(ケツの穴の小さい男だぜ)
話は逸れましたが、バットで殴りはしませんでしたが、叔父の圧力はすさまじく、学年主任をしているこの叔父に、他の先生も右に習え。
そんな中、姉は、「この高校の進学率に貢献するために自分の夢を諦めるつもりはありません」と堂々と宣言。その信念を貫き通しました。
そして、意外に腹黒な姉は、これでもか、といわんばかりに良い成績を収め教師陣を黙らせ、せめてセンター試験を受けてくれと懇願する担任を無視しながら、ひたすら英語の勉強をしていましたね。
姉ちゃん、かっけー!
その時、入学と同時に一目ぼれしたクラスメイトのイケメンにうつつを抜かしていた私、姉のすごさに惚れ直しました。