愛よりも深すぎて
どのくらい木崎を抱き締めていたのだろう。

『…先生。
未成年淫行で捕まるよ』
と木崎が言い出した。
『淫行してねーだろ。』
『こんな暗いとこで中学生になにやってんのさ(笑)』
『お前さ、この前のコンクールの時も俺に抱きついて泣いてただろ』
『あ…あのときはっ!ほらっ!テンション上がってっ!昼間だしっ!』
少し抱いた腕を緩めた。
それでも木崎は離れない。
『俺淫行で捕まりたくねーし。』
『…………もう少し』
『は??』
『もう少しだけこうしてて…』
『んだよ!お前が未成年淫行とかいってんじゃんよ』
『いいから。居心地いい。』

しょーがねぇーな。

木崎の頭を撫でながら俺は木崎を抱き締めた。
< 19 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop