愛よりも深すぎて
新学期が始まり
木崎は嘘のように学校に来ている。

木崎のクラスは仲が良く
男女関係なく仲良く過ごしている様子が見られた。

木崎の担任は俺と同じ歳の加賀先生。
女の先生だ。

自惚れる訳ではないが
加賀先生は俺に気があるようだ。

彼女も独身。
職場結婚が多いこの教員の世界。
独身の俺に白羽の矢が立ったのだろう。

彼女のクラスには木崎を含め
俺の部活の子が3人いた。

3人とも問題のない子達ばかりだが
その子達のことでやたら話に来る。

特に木崎が多かった。

『荒木先生、木崎さんのことでちょっと…』
『は?木崎がなにか?』

去年不登校をしたことで警戒してるのはしてるのかもしれないけどそれにしてもつまらんことで聞いてくる。

『木崎さんさっき先生のとこにいってましたがなにかいってました?』
『部活のことで聞きに来たことがあっただけで特には…』
『そーでしたか。』

こんなのばっかり。

あれ以来、どうも俺も木崎を気にしてしまい
木崎を見かけるとなにか声をかけずにいられない、というのもある。

秘密をばらすなよという気持ちはないが
木崎をほっとけなかった。
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