愛よりも深すぎて
夏休みの部活の合宿に木崎は来た。

木崎のいった学校には吹奏楽部はなく
部活もやっていなかったが
『やりたいこと見つけたよ』
といっていた。

それがなにかは聞けなかったが
この前の電話の声より生き生きしていた。

後輩たちと花火をしてはしゃぐ木崎。
大人びたところもあるくせに
こういうときは本当に子供の顔を見せる。

俺はもしかしたらあの事を話したせいで
木崎の子供の部分を奪ったのかもしれない。
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