愛よりも深すぎて
そんなある日。

木崎は2年になっていた。

20歳。俺があの事があった頃の歳だ。

木崎から手紙が届いた。
またアホなことが書かれているのだろうと封を開けた。

『荒木先生

お元気ですか?
私はなんとか元気にしてます。

いきなり本題。
ある人に抱かれました。(うわ、生々しい)』

木崎が、男に抱かれた。
その事実がちくりと痛む。

『私も年頃だしそんなことがあってもおかしくないんだけどさ。
実はその人、奥さんがいる人です。』

…何都合のいい女になってんだよ…

手紙を読み進めると相手はサークルの先輩とのこと。

相手は在学中から仲がよかった先輩らしく、
卒業し、すぐ結婚したが
その男に抱かれたと。

その男の嫁も木崎の先輩だと。
『私も墓場に持っていくことが増えました』
と…

そしてもしかしたら妊娠したかも知れないとの事。

生理が、こないのだという。

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