愛よりも深すぎて
さらに1か月後。

また木崎から手紙が来た。

妊娠はしてなかったらしい。
ストレスで遅れただけだったかも、とのこと。

ホッとはした。

だが、まだその男と付き合っているのだろうか。

俺だって結婚した身だ。
今木崎とどうなるものでもない。

なんなんだろうな、俺の木崎への気持ちは。

そうこうしている間に、俺にも子供ができた。
女の子だった。

初めて自分の子を抱いたとき
あいつとの間にできた子がもし生まれていたら…と思った。

そして、もしこの子がどこぞの男に妊娠させられた挙げ句中絶したら…とも思った。

改めて自分の罪深さを思った。

木崎に娘ができたことを知らせると
『女を泣かせてきた男の人のところには娘生まれるんだよね』
とちくりと言われた…
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