愛よりも深すぎて
木崎は障害者の施設で働いており
30にして主任にまでなった。

男の職員、しかも自分より年上の人もいるのだという。

『男に負けない仕事してたら
やっぱり可愛げない女だよ。』
そういって笑ったが俺にとってはかわいくて仕方ない教え子だ。

いや、教え子の域を越えている。
正直そう思う。

あいつとのこの20年近く。
俺は木崎を傷つけた。
さっき言われたように
14の小娘に話すべきではないことを話し、あいつを無理に大人にしてしまったのかもしれない。
マリッジブルーの時にあいつを女として甘えた。

数々の俺の甘えをあいつは受けてくれた。

今、傷ついているあいつを
俺はどうやって支えてやればいいのだろう。
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