愛よりも深すぎて
俺が降りる駅が近づく。
そっと手を離す。

木崎は『気を付けてね』と俺を見た。

『じゃ、またね。』
そういうと俺は電車を降りる。

木崎は窓から俺を見ていた。

俺は窓越しに木崎を見つめ小さく手を振る。

木崎は泣き顔とも笑い顔ともとれる顔で俺を見つめ手を振り返した。

木崎を乗せた電車が走り出す。

木崎、頑張れ、と。
心の中で呟いた。
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