愛よりも深すぎて
『木崎!』
廊下をフラフラ一人で歩いている木崎の腕を掴んだ。

少しビクッとしたようだったがゆっくり振り返り俺を見ると
『…あ…先生』
とにっこり笑った。
その笑顔は力なかった。

『お前どうした?痩せたし学校休んでるだろ。』
『ああ…』
少し遠い目をして笑った。

『先生にも話聞いてもらった方がいいよね。
岡村先生には聞いてもらってるんだけどさ』

岡村先生とは木崎の担任だ。
俺より3つ上の先生で去年も木崎を担任していた。

『聞いてやるけど…どうした』
『いつ時間ある?』
『今日の放課後ならいいぞ』
『うん。んじゃ早退しようと思ったけど頑張るわ』
『早退?具合悪いのか?』
『ん…まぁね。』
『放課後会議室とっとくわ。』

そういうと小さく手を振って俺から離れた。

木崎、何があった?
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