とっておきの恋
「持田! ちょっとあとで生徒指導室に来い」

長田の呼び出しをくらった。

へこむあたし。

すっかり恋愛で浮かれきっていて勉強してなかったよ。

大失態。



「エリちゃん、どうした?」

安部くんが心配そうに覗き込む。

「あ、安部くん…」

「何? どうした?」

「数学、赤点だって…」

「え?」

安部くんの目の色がみるみるうちに変わっていった。

「エリちゃん! 今日から特訓だから!! いいね」

いつものやさしい安部くんじゃなかった。

こ、こわい…。
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