とっておきの恋
次の日から、安部くんの特訓が始まった。

放課後安部くんが部活の間に、あたしは教室で安部くんに出された課題をこなす。

で、部活が終わって戻ってきた安部くんにだめだしをくらうというもの。



「エリちゃん、俺と付き合って赤点だなんて、俺自身も許せないから。いい、絶対次はリベンジだから」

安部くんはそう言って鋭い眼差しであたしを見つめる。

「これ、やっとくように」

数学の教科書や問題集を山積みして、去っていった。
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