とっておきの恋
「あ…まいったな…」

突然河辺くんが立ち止まった。

「どうしたの?」

「ごめん、メガネないとよく見えなくて…」

「大丈夫?」

河辺くんはしばらく何かを考えてみたいだったけど、突然あたしの顔をのぞきこんだ。

その距離、ちょっと近すぎ…る。

河辺くん、目見えないから仕方ないけどさ。

今にも鼻がぶつかっちゃうような近さに、あたしは赤面する。

「お願いがあるんだ。持田さん、駅まで肩貸してくれない?」
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