とっておきの恋
あたしの中で何かがこみ上げてきた。

みんなの間をすり抜け、一直線に駆け寄る。

「カオリン!」

あたしは、とにかく嬉しくて、まるで久しぶりにご主人に会えた子犬のようにカオリンに抱きついた。

「ちょ、ちょっとエリ。どうしたの?」

カオリンの戸惑った声も嬉しくて、あたしは離れようとしない。



たぶん、みんな見てる。

きっと驚いた顔して。

でも、いいの。

だって嬉しくて。

カオリンに会えたのが、嬉しいの、あたし。
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