とっておきの恋
あたしは無力だ。


悲しいけれど、これが事実。





放課後、あたしはこっそり弓道場をのぞく。

道場に袴姿でカオリンが弓を引く。

その姿はまるでタンチョウ鶴のように美しく、凛としていて、あたしはすっかり見とれてしまった。



カオリンの背中に真っ白な羽が見えた。
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