とっておきの恋
「エリちゃんはついてないね」

暗闇の中で、河辺くんのメガネのレンズが光っていた。

「君が安部っちの彼女にならなければ、こんな目にあうこともなかったのにね。かわいそう」

河辺くんは笑っていた。

とても嬉しそうに…。

「ここは…?」

朦朧としていたけれど、何とか声が出た。

「旧校舎の中だよ。ここなら誰もこない。君と二人っきりだ」



逃げなくちゃ。

そう思った。

ここにいたら、ひどい目にあわされる。


あたしは起き上がろうとした。

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