とっておきの恋
でも、動けなかった。

あたしの手は背中のところで縛られていた。

手だけじゃない。

足も。


何かロープのようなものできつく縛られている。



あたしの反応を見て河辺くんは嬉しそうに笑った。


「驚いた? エリちゃんが小柄でよかったよ。簡単にここまで運ぶことができた」




誰か、助けて。

怖い、怖いよ。



あたしは冷たい床の上に横たわったまま、どうすることもできなかった。

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