とっておきの恋
□正義の味方
河辺くんの後ろに見えた黒い影は、銀色に光る棒を振り上げる。
そしてその棒は、河辺くんの頭をグワーンという音とともに捕らえた。
河辺くんは、そのまま廊下に倒れこんでしまった。
暗がりでよく見えないけど、その黒い影はまちがいなくあたしを助けてくれた。
あたしは九死に一生を得た。
「持田さん…大丈夫?」
その声は弱弱しくて震えていたけれど、最高にたくましくてかっこいい。
「遠藤くん…遠藤くん…あたし、あたし、怖かったよ…」
あたしはワンワン泣いた。
あたしより10センチほどしか大きくない男の子の胸の中で。
遠藤くんの耳たぶがおでこに触れた。
とっても熱いよ。
普通こういうとき、女の子の背中に手をまわすものって思ってたけど、遠藤くんはがちがちに固まっていた。
直立不動の胸の中であたしは泣いた。
そしてその棒は、河辺くんの頭をグワーンという音とともに捕らえた。
河辺くんは、そのまま廊下に倒れこんでしまった。
暗がりでよく見えないけど、その黒い影はまちがいなくあたしを助けてくれた。
あたしは九死に一生を得た。
「持田さん…大丈夫?」
その声は弱弱しくて震えていたけれど、最高にたくましくてかっこいい。
「遠藤くん…遠藤くん…あたし、あたし、怖かったよ…」
あたしはワンワン泣いた。
あたしより10センチほどしか大きくない男の子の胸の中で。
遠藤くんの耳たぶがおでこに触れた。
とっても熱いよ。
普通こういうとき、女の子の背中に手をまわすものって思ってたけど、遠藤くんはがちがちに固まっていた。
直立不動の胸の中であたしは泣いた。