とっておきの恋
「え？　え？　何よ～！　突然すぎる！！！」

カオリンは足を組み、空いているほうの手で頬杖をつきながら、あたしから視線を逸らさない。

「本当よ。本当に思ってるから言ったんだって」

あ、まただ。

大人の微笑み。

「嬉しいときは嬉しい。悲しいときは悲しい。エリの顔見てたらすぐわかる」

「え？　そ、そうなの？」

そう言われても自覚はない。

あたしってそうなのかな～。

「いいことだよ。素直なことって。あたしにはできないからな」

そう言って、カオリンはベリーベリーベリーをぱくついた。



ん？

今のって、なんだろう。

カオリンがあたしをうらやましがってる？

…まさかね、そんなことあるわけないよね。



「そうだ、ところで安部っちのことどう思ってるの？」



カオリンたら、いたずらそうな顔して笑ってる。
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