とっておきの恋
「ねえ、遠藤くん。将来の夢は変わらない?」

遠藤くん、ちょっと驚いたような顔。

「うん、やっぱり弁護士になりたい。弱い人を助けてあげたいって思う」

「そうこなくっちゃ!」

遠藤くんなら、きっと素敵な弁護士になれるよ。

ついでにあたしのこともずっと守ってほしいんだけど。

でも、今こんなこと言ったら、きっと鼻血噴出しちゃうよね。

だから、今はまだ言わない。

「ところで、持田さんは何になるんですか?」

「あたし?」

「はい」

「あたしは、カウンセラー。被害にあった女の子たちのお手伝いができたらって思う」

遠藤くんは珍しくあたしの目を見て微笑んでいた。

「持田さんなら、きっと立派なカウンセラーになれますよ、がんばってください」
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