とっておきの恋
「エリ、何引いた?」

体を斜めにしてあたしのくじを覗き込むカオリン。

「なあんだ。Aか」

「なあんだって、カオリン違うの?」

カオリンは三角くじをひらひらさせながら笑う。

「私、Fだった」



がーーーーん!!!



同じ班になれるほうが奇跡なんだけど、でも、カオリンと違う班てのは、やっぱりがっかりだ。



「え? エリちゃんAなの? やったー、一緒じゃん」


斜め後ろから、安部くんがあたしのセーラーの襟をひっぱっていた。
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