とっておきの恋
四人で浅草のどのコースを回るかを決める。

落語を楽しむ寄席コース、江戸職人の伝統工芸を回るコースなど、テーマを各班で自由に決めていいことになっている。



「僕は、寄席コースがいいな。落語を楽しむ機会ってめったにないだろ」

河辺くんは落語好きなんだ。



あたし、全然知らないよ。





「僕…、浅草寺のおみくじのこと、調べたいです…」

遠藤くんがやっぱり小声で言った。



おみくじだったらあたしも興味あるな。

あそこって凶が多いんだよね、確か。





「エリちゃんは?」



安部くんがあたしの顔を覗き込む。




「え? あ、あたし?」


「そう、エリちゃんが行きたいとこ言って」




どうしよう、あんまり考えてなかった。

いつも他人まかせだったし…。



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