とっておきの恋
「えっと、花やかたとか…」


花やかたというのは、昔から浅草にあるこじんまりとしたちょっとレトロな遊園地。

校外学習という目的からはかなりずれてる…よね。




「え、でもそれってまずいんじゃない」




ほら、やっぱり。

河辺くんに突っ込まれた。




「あ、そうだよね。うん、ただ遊びにいくだけみたいじゃんね。いいから、気にしないで。あたしの意見はなかったことで…」



やたら焦りあくるあたし。

う、かっこ悪い。




「え、でも…大衆文化としての花やかたの歴史を調べるとなれば、立派な民俗学になると思う…けど…」



意外な声が遠藤くんから上がった。

あたしをフォローしてくれてるの?

ありがとう、遠藤くん!!!
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