とっておきの恋
突然あたしの横を誰かが颯爽と駆け上がった。

軽やかに階段を上がり、カオリンと並ぶ。



「松原、おはよう」



そう言った彼の横顔は天窓から差し込む光で輝き、あたしは声を失った。

サラサラの茶色い髪、180センチはある身長。

ハーフ?と思わせるほど色が白く、まつげが長い。



「なんだ、安部っちも一緒?」

「なんだよ、失礼だな。もう一月以上同じクラスにいるんですけど!」



あ…安部くんて言うんだ…。

こんなかっこいい人に今まで気づかなかったあたしっていったい…。

そういえば、知らない人と目あわせることできなかったから、いっつも下ばかり向いてたんだっけ。





あたしったら安部くんに見とれてぽかーんと口を開けたっきり。


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