とっておきの恋
「遠藤、もうちょっとゆっくり歩け~。持田さん、女の子なんだからな~」
河辺くんが後ろを振り返りながら、遠藤くんに声をかける。
「ごめんね、あたしのろくて」
私も必死に歩くんだけど、人をよけながら前に進むからどうしたって遅くなる。
そしたら――。
大きな手があたしの手をくるんだ。
ちょっと骨ばったあったかい手。
「あ、安部くん…!」
安部くんは人ごみからあたしを守るように半歩前を行く。
「はぐれちゃうから、ぎゅっと手握ってて」
あ…。
あたしの手、すごく熱くなってるよ。
ううん、手だけじゃない。
全身から火が出そう。
でも、がんばって握った。
安部くんの手、ぎゅっと。
河辺くんが後ろを振り返りながら、遠藤くんに声をかける。
「ごめんね、あたしのろくて」
私も必死に歩くんだけど、人をよけながら前に進むからどうしたって遅くなる。
そしたら――。
大きな手があたしの手をくるんだ。
ちょっと骨ばったあったかい手。
「あ、安部くん…!」
安部くんは人ごみからあたしを守るように半歩前を行く。
「はぐれちゃうから、ぎゅっと手握ってて」
あ…。
あたしの手、すごく熱くなってるよ。
ううん、手だけじゃない。
全身から火が出そう。
でも、がんばって握った。
安部くんの手、ぎゅっと。