とっておきの恋
「あれ、その子は? 松原の友達?」


安部くんがあたしのことを見た。

正面から見たその顔は、横顔よりもさらにきれいで…。

安部くんて美形だよ。



「そうだよ。エリっていうの、仲良くしてあげて」



安部くんはあいかわらず、きれいな顔のまま微笑んだ。

そしてあたしのいるところまで駆け下りてきたら

ぽんぽんとあたしの頭を撫でた。



「よろしくね、エリちゃん」



白い歯がこぼれる。

王子様だよ、安部くんは…。




安部くんがきらきらしすぎてて、あたしはめまいがした。



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