とっておきの恋
「あっちだよ、早く行こう!」



振り向きながら笑う安部くんの茶色い髪の毛は、陽に透けて金髪みたい。



安部くんはまるで天使だよ。



あたしの天使様…。





ふと河辺くんの言葉が頭をよぎる。



――『エリちゃんも気をつけたほうがいいからね』





でもさ、そんな忠告ももうどうでもいいかなって思っちゃう。




だって、安部くんは天使だから。


あたしが困るようなことするわけない。




そうだよね、安部くん。
< 58 / 203 >

この作品をシェア

pagetop