とっておきの恋
月曜日になった。



あたしは決めていた。

何事もなかったかのように、振る舞おう。

カオリンに会ったら、いつもどおり「おはよう」って言えばいい。



でも、安部くんに会ったら…。


何事もなかったようになんて振る舞えるのかなあ。



きっとカオリンは気づく。

金曜日の校外学習であたしに何かあったって…。



下駄箱で靴を履き替えてたら、誰かがあたしの頭をくしゃくしゃっと撫でた。



「おはよう、エリちゃん」



安部くんだった。
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