とっておきの恋
「なんでメール返してくれなかったの? 俺、返事くるの、待ってたのに」

安部くんはいたずらそうに目をぱちぱちとしばたかせて、あたしのほっぺたを人差し指で触れる。

「ご、ごめん…ね」

まただ。

ほっぺがかあっと熱くなっていく。

きっとじゅわーって湯気が出てるよ。



すると安部くんは後ろを振り返りながらこう言った。


「俺さ、エリちゃんと付き合っちゃおうかな」



カオリンが立っていた。
< 71 / 203 >

この作品をシェア

pagetop