とっておきの恋
授業中何も頭に入ってこなかった。
先生が何言ってるのかも全然わからなくて、あたしはそのたびに隣のカオリンの顔をちらりと覗き見る。
カオリンは黒い艶やかなストレートの前髪を左手でいじりながら、ノートをとる。
うつむいたその顔は、やっぱり美しくて、女のあたしでもどきっとする。
河辺くんが言っていた噂ってうそだよね。
そうだよね、カオリン。
あのあと河辺くんはこう付け加えたの。
「持田さんてさ、いっつも松原さんと一緒にいたじゃない。だから、ふたりはできてるんじゃないかって思ってたんだけどな」
「ま、まさか! そんなことあるわけない!」
「持田さんはさ、気づいてないだけじゃない。松原さんはきっと君のことそういう気持ちで見ていたんだと思うよ」
「うそ…」
「だって、金曜日だって、君のことすごく心配してさ…。あれって女の友情とは思えないよ」
先生が何言ってるのかも全然わからなくて、あたしはそのたびに隣のカオリンの顔をちらりと覗き見る。
カオリンは黒い艶やかなストレートの前髪を左手でいじりながら、ノートをとる。
うつむいたその顔は、やっぱり美しくて、女のあたしでもどきっとする。
河辺くんが言っていた噂ってうそだよね。
そうだよね、カオリン。
あのあと河辺くんはこう付け加えたの。
「持田さんてさ、いっつも松原さんと一緒にいたじゃない。だから、ふたりはできてるんじゃないかって思ってたんだけどな」
「ま、まさか! そんなことあるわけない!」
「持田さんはさ、気づいてないだけじゃない。松原さんはきっと君のことそういう気持ちで見ていたんだと思うよ」
「うそ…」
「だって、金曜日だって、君のことすごく心配してさ…。あれって女の友情とは思えないよ」