とっておきの恋
「まったくもう、世話が焼けるんだから」

カオリンは苦笑いしながら、あたしの涙をハンカチで拭いてくれた。

そしてカオリンはやさしい声で言った。

「おめでとう。エリ。」

「カオリン…」

「好きなんでしょ、安部っちのこと」

あたしはこくんとうなずく。

カオリンはさらに目を細めて、あたしの髪をくしゃっと撫でた。

「エリなら、うまくいくよ。きっと。だから私が言ったことは気にしないでね」
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