とっておきの恋
――昼休み。

教室でカオリンとお弁当を広げる。


「大学受験か…」


カオリンが大げさにため息をついてみせた。


「ねえ、エリ。エリは行きたい大学とか決まってんの?」


「え、あたし? うーん、なんだろう。具体的にはまだ決まってないなあ」


「エリは推薦考えてる?」


「ま、まさか。あたし成績よくないし」



そうだよ、入学してすぐのテストなんて目も当てられない。

本当にこの学校に入学したとは思えない点数だったよ、とほほ。



「カオリンは? 推薦狙えるじゃん」


カオリンはあたしと違って出来がいい。

数学が得意なことは言うまでもないが、だからといって文系科目が苦手というわけではない。

どの教科もまんべんなく点数をとれそうだから、十分推薦をねらえる。
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