とっておきの恋
■甘い甘い時
あたしたちは公認のカップルになった。

初めはみんなびっくりしてたけど(特に女子が!)そのうち当たり前になって、誰も騒がなくなっていった。

学校でも休みの日でもいつも安部くんと一緒。

安部くんはあいかわらずかっこよくてやさしくて、外を歩けばみんなの注目を浴びた。

初めのころはそれが気恥ずかしかったけど、今ではみんなに見られるのが快感だったりする。

見て!

あたしの彼氏、すごくかっこいいでしょって。



そうそう、カオリンとはさらに友情を深めることができた。

カオリンの弱さを知ったことで、女同士の関係も一歩前進。

お昼ごはんはあいかわらずカオリンと一緒だったし、カオリンともよくつるんだ。

カオリンだってあたしにとってかけがえのない人。

大切な人。



あたしって本当に幸せだよ。

神様、こんなに幸せすぎるあたしを許して。



そう思っていたら、本当にばちが当たった。




――数学で赤点をとってしまった。
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