小さな小さな恋物語
「さっきから険しい顔しない。見てて怖いから」


俺は知らない間に険しい顔をしてたらしい。


それほどまでに佑希ちゃんには知られたくないことなんだろう。


「お前に朗報。佑希ちゃんが智流に会いたがってるって。
今日、一緒に帰ったら?」


佑希ちゃんが俺に?


俺も会って話したいけど喋ってしまいそうだな。私立受験のこと。


「佑希ちゃんには悪いけど遠慮しとく」


そう言うと崇は難しい顔をしながら、


「お前、変わったな」


「どこが?」


尋ねると溜め息をつきながら、


「お前のそういうとこ。人に厳しくなった。昔はお人よしだったのにな。

その証拠に女の子からの恋愛相談がなくなったしな」



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