小さな小さな恋物語
-亜依-



あたしは佑希に黙って崇のクラスにいた。


佑希がいるからって言ってたから、裏を返せばあたし一人だったら教えてくれるってことだから。



これは屁理屈だろうけどそれほど、佑希を傷つけたくないから…


「やっぱり来たか。この屁理屈人間」


「酷い言いようだね。まっ、合ってるけど」


クスリッと笑いながら言うと崇はげんなりしていた。


「で、智流君に何があったの?」


あたしが聞くと崇は、


「絶対に他の奴には話すなよ! 特に黒川には話すな」



あたしに釘を刺してから智流君が私立受験をすることを聞かされた。




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