小さな小さな恋物語

「その息子さんが私立受験するそうよ。
確か大桐(ﾀｲﾄｳ)学園って言ってたわよ」


大桐学園というのはあたしの住む県で１番レベルが高い学校だ。


しかも、その学校は僚生活をするというところ。



智流君が大桐学園に?


てっきり智流君もあたしと同じ近くの公立に通うものだと思ってた。


って、ことは4月になったら離れ離れってこと?


ううん。
合格が決まれば、卒業式が終わった日にこのマンションから出ていってしまうかもしれない。


そんなの嫌だよ。



よくわからない感情があたしの心を渦巻いていった。