小さな小さな恋物語
どうすればわからないんだ。

自分の気持ちを正直に言っても相手を困らせるのが嫌だから…



「あのな。まずは人に遠慮するのをやめろ!
特に嫌われたくないって思う人にはな」


「そんなこと言ったって…」


遠慮がちに言うと、お兄ちゃんは溜め息をつきながら、


「そういうところがお前のいいところだと思うけど、たまにはわがままになってもいいんだぞ?」


心配そうな顔で訴える。


この時初めてお兄ちゃんに心配をかけてるんだなって思った。



でも、わがままになってもいいのかな? 甘えてもいいのかな?


そんなことを考えてしまうあたしはやっぱりバカなのかな?


「なんか寒くなってきたな。そろそろ家に帰るか」


そういえば、さっきから寒くなってきたかも。


あたしはお兄ちゃんの後を追って、マンションへと入っていった。



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