小さな小さな恋物語
「その…グスッ、勉強のヒック邪魔して、ごめ…んね」



鳴咽混じりで呟いた。


邪魔も何も最初から勉強してないけどね。


そんなことを知らない佑希ちゃんはつまりつまりで更に呟く。


「あの…ね。なんか知らないけど、智流君を見た瞬間に泣けてきて…」



「俺を…見て?」


佑希ちゃんはコクンと頷きながら、


「なぜかは聞かないでね?
自分でもよくわからないからさ」


そう言った彼女は泣き止んでいたんだけど、涙で濡れた目が綺麗で俺は見とれてしまったんだ。



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