小さな小さな恋物語
「そんなんで泣かないでよ。俺に用事なんでしょ? だったら一緒に帰ろうよ」


智流君はクスクス笑いながら言った。


「えっ! でも…」


亜依をちらりと見てためらっていると、


「ん? ああ。あたしのことなんて気にしないでいいよ」


ニッコリとほほ笑んだ。


「それじゃあ、一緒に帰ろっ♪
でも、荷物持ってきてないから取りにいってくるね」


「じゃあ、教室で待ってるよ」


智流君はそこまで言うと自分の席へと戻っていった。



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