小さな小さな恋物語
「佑希。さっきの人はだれ?」


「えっ! なに?」


佑希はハッとした顔で俺を見た。


どうやら一人でトリップしてたらしい。

その証拠に頬がほのかに赤かった。


なにを考えてたんだ?


ってそうじゃなくて…


「さっきの人は誰なの?」

「さっきの人ってヒロ兄ちゃんのこと?
あの人はあたしのいとこだよ」


いとこ。いとこね。なんだ! あまり警戒しなくても…


「血の繋がりはないけどね」



前言撤回! やっぱり警戒しとかないと。


「それよりも…」


俺が一人でテンパってると佑希は顔を赤くしながら、



「さっきからあたしの呼び名が呼び捨て…」


恥ずかしそうに言った。


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