小さな小さな恋物語
智流はツカツカと音を立てながら近づいてくる。


智流? なんか怖いよ…


「先輩。佑希に何かしたんですか?」


「何かってなに?」


智流の怒りにあっさりと返すヒロ兄ちゃん。

完全にはぶらかしている。



「なにって佑希。泣いてたじゃないですか」


今は泣いてないと思うけど…


持ってた手鏡で自分の顔を見ると目が赤くなっていて、腫れていた。


これは誰が見ても泣いてたのはわかるわ。




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