小さな小さな恋物語
「で、いつだったの?」


余韻を浸らせる間も与えずに聞いてくる。


「いつだったかはわからないけど崇を見てたら、わかったよ。あいつ亜依ちゃんと話してる時とか楽しそうな顔してたからな」


「さすが、長年いただけはあるよね。
それだったら、キャンプの時に二人をくっつけようよ! ヒロ兄ちゃんはあたしがなんとかするからさ」



「佑希が先輩と一緒にいることないよ」


「なんで? 智流はくっついてほしくないの?」


「いや…そうじゃないけど」


俺が嫌なんだよ! つか、気付けよ。


「だったら、いいじゃん!?」


ムスッとした顔で俺を見つめる。


その顔は反則!
これじゃあ、妥協するしかないじゃん。


「はぁ〜。だったら、先輩と二人っきりになるなよ。先輩といる時は俺も一緒に連れていくこと」


なんで、俺はこんなにも佑希には弱いんだよ。


惚れた方の弱み…なのか?


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