小さな小さな恋物語
-智流-



「智流君。酷いよ!
なんでさっさと先に行っちゃうのよ!?」


歩くのが早いんじゃなくて、エレベーターから降りたのが早かったからね。


「佑希ちゃん、ごめんね?」


俺は一応謝っておいた。

実際は俺が悪いみたいだしな。


「智流君が謝るほどじゃないよ。
あたしが来るのが悪いんだからさ」


佑希ちゃんはシュンッとしながら言った。


いやいや。どっちだよ!

まあ、佑希ちゃんがこう言ってるんだから譲った方がいいんだけどね。



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