小さな小さな恋物語
「いや。佑希ちゃんのお兄さんが俺の姉さんと同じ学年だったからびっくりしただけ」


「そうなんだ。すっごい偶然だね!」


佑希ちゃんもひどく驚いた様子で言った。


まあ、俺も聞いてびっくりしたけどな。


「智流君のお姉さんの名前は?」


グィッと俺に顔を近づけて聞いた。


うわっ! びっくりした。
佑希ちゃんいくらなんでも興奮し過ぎ。


「…姉さんの名前は『流華』だよ。
流れる華って書いてね」


「流華さんか。じゃあ、お兄ちゃんに聞いてみる。
そんじゃあ、またね」


そう言った佑希ちゃんは俺の元を離れていた。


またね? なんでだろう?


気付くと、俺は自分の教室の前にいた。



「そういうことね」


俺はクスッと一度笑って教室に入った。




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