小さな小さな恋物語
-佑希-



「びっくりしたぁ」


あたしはエレベーターから下りた後に壁に背中を押し付けた。


すると、体の力が抜けてズルズルと腰から落ちて行って、今は座り込んだ状況だった。


いつもニコニコしてた智流君が急に男の子の顔になってた。


急に男の子の顔をするのは反則だよ。


あたしの顔は自然と赤くなっていく。


明日からどうやって接しよう? 普通にできるかな?


そんな事を考えていると、智流君の顔を思い出してしまう。


今度はドキドキと心臓が鳴り出した。


もう。嫌だ。


あたしは涙ながらそう思った。



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