小さな小さな恋物語
「佑希はまだ気付いてないんだね。教えてあげてもいいんだけど、これは自分で気付いた方が素敵だからね」


「自分で気付く?」



「そっ! 自分で気付くの。
でも、初恋がまだな佑希ちゃんには難しいと思うからアドバイスね。
友達の好きと異性としての好きとは違う」


亜依ははっきりと断言する。


「どういう意味?」


「これじゃあ、まだわからないか。
つまり、異性として好きというのは本能で会いたい。一緒にいたい。って思えるようなことを好きだってこと」



「本能で?」


「そっ。本能。
その他のはただ邪魔になるだけだよ」


「はぁ」


「まあ、そのうちわかるようになるわよ」


そのうちか。わかるといいな。
わかればお兄ちゃん達みたいに素敵な恋愛が出来るかな?



そんなことを考えてるとチャイムが鳴った。


チャイムが鳴ると亜依は慌てて自分の席へと向かった。



< 92 / 271 >

この作品をシェア

pagetop