小さな小さな恋物語
「あれ? どうしたの?」


あたしが質問するとお兄ちゃんが不機嫌そうに、



「流華の弟君が来るからってうるさい!
俺言ったよな? 明日からテストだって」


そっ、そうだった!


しまったって顔をしながら、


「ごっ、ごめん」


そう言うと、わかればいいって顔をしながらお兄ちゃんは自分の部屋に戻って行こうとした。


「言い忘れてた」


そう言ってお兄ちゃんは立ち止まった。



今度はなに?


怯えた顔でお兄ちゃんを見ると、


「あんまに長居させるなよ? うるさいから」


『うるさい』を強調させた後に今度こそ自分の部屋へと向かった。




今日のお兄ちゃんは怖い!


脳裏に刻んだ後に掃除を開始した。




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