お兄さん-上司-に気をつけて!
「手始めにいくわね。
ここの部署はね、女性の流行を取り扱うでしょ?だから私達自身がきちんとしてなくてはならないの」
「「「?」」」
「あーそうね。例えば……貴方!」
先程の弱々しい女の子が指を指された。
「あ…あの?」
「貴方の場合、ノーメイクや地味な髪型でとてもじゃないけど流行を押さえていくとは思えないわ」
「はぁ…」
「つまり!何が言いたいのかと言うと、見た目にもっと気を使えというわけよ」
新社会人としては地味な格好になるのは当たり前のような気もするが、
やはり女性誌を扱うとだけあってこの部にいる社員は皆、それぞれ服装の見た目に気を使っている。
このあとも各自服装の注意をされた。
ある程度の仕事の流れやフロアの案内など、どれも新鮮だった。
「とりあえず、一通り説明できたからお昼休憩ね」
気がつくともうお昼と言ってもいい時間に針が進んでいた。