流れる星を見つけたら
「そうなると、これでおしまい?」

証拠が無いから
どうにもならないの?

「店長と店員の所持品検査すりゃ一発じゃん」

盗まれた宝石が出てきて
はい解決ー!
簡単でしょう。
ひとり納得して言うと

「だから素人は」と……刑事に鼻で笑われた。

怒られるより
バカにされる方がムカつく私。

「何よその言い方」

「説明する気も起きませんね」

いやマジムカつく。
その爽やかな顔を外せ。整形して来い!
ジュノンボーイより円楽師匠の顔にしろ!

「まぁまぁ」
お姉さんが苦笑で私と刑事の火花を消す。

「きっと警察は何かと理由をつけて、最初に2人の所持品検査はしてると思うの。狭いお店の中もきっと探してるし、それで何も出て来ないのなら、共犯者がもう一人いるって事でしょう」

お姉さんの言葉に
目からウロコの社長と私。

「バイトの子が風邪で休んだ事だし、今日実行しようと思ったのじゃないかしら?」

お姉さん凄いわ。

「誰でもわかるでしょう」

男の追加の一言が腹立つわー。
悔しいから何か言ってやろうと思っていると、その場にシェフ自ら、エスプレッソのおかわりを注ぎに来るので大人しくしてしまう。

このシェフ
優しい顔してるけど
どこか威圧感あるな。

「お食事はいかがでしたか?」

声も柔らかで優しいんだけど。

それぞれが料理とワインを褒めていると、シェフは柔らかい微笑みを浮かべて私達に御礼を言ってから社長に一言。

「先輩。何か凄いオーラに包まれてますよ」

それを受けた社長は「え?おい。変な事言うな!俺が来る時は絶対そーゆー発言するなって言ってるだろう!」狼狽しながら手で周りの空気を払っている。

「多分いいオーラなので気にすることはありませんよ。でも……いいか悪いかは自分次第ですね。悪質なオーラに変わる事もありますから」

それを聞いてお姉さんがシェフと笑ってる。

この2人怖いわー。
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